CDK inhibitor - neuronal migration

ニューロン移動

伊藤 靖浩、増山 典久、後藤 由季子
Ito et al. J. Biol. Chem. (2007) 282, 390-396.

発生期の大脳新皮質において、未分化な神経系前駆細胞は脳室帯で増殖し、 ニューロンに分化すると脳表層に向かってニューロン移動を開始するとともに細胞周期の停止が起こることが知られている。 しかしながら、ニューロン分化とニューロン移動、細胞周期停止をカップルさせるメカニズムは不明であった。 CDK inhibitorは細胞周期を負に制御する働きを持つ重要な分子であるとともに、近年、細胞運動に関わる可能性が報告されている。 そこで本研究ではCDK inhibitorに注目し解析を行ない、CDK inhibitor p27とp57がニューロン分化に伴って発現が上昇し、 かつニューロン移動に必要であることを見出した。すなわち、CDK inhibitor p27とp57がニューロン分化、 ニューロン移動と細胞周期停止をカップルさせることにより大脳新皮質の形成に重要な役割を果たすことが示唆された。
 
 
Migration